学生募集

本研究室では、内部・外部、国内・国外を問わず、随時学生の募集を行っています。

入学試験等の詳細については、九州大学経済学部HPから直接ご確認ください。

以下は、ゼミ選びや大学院進学を考える学生へ向けた中石からのコラムになります。

ゼミ生募集について(学部2年生向け)

九州大学経済学部では、毎年12月頃にゼミ説明会を実施しています。当ゼミも12月末に計2~3回のゼミ説明会を開催することを予定しています。

入ゼミを希望する際には、原則ゼミ説明会に参加するようにしてください。私自身もそうであったように、ゼミの仲間と過ごす2年間は、皆さんにとって一生の思い出となります。また、ゼミの指導教員の専門分野(私の場合は環境経済学や資源・エネルギー経済学)は、皆さんが就活や卒業した後に「専門は何ですか?」と聞かれた際に答える皆さんの「専門分野」となるはずです。自身の知的好奇心や雰囲気にマッチしたゼミに参加できるように、色々なゼミを回り、しっかりと下調べすることをお勧めします!

ゼミの企画、その他特記事項

ゼミ活動における活発な議論は、ゼミ生同士の信頼(友好)関係の上に成り立ちます。また、良い研究のアイデアは、研究室や自宅に引きこもっていては不思議と生まれず、散歩中や友人との会話の中で偶然生まれたりするものです。

当ゼミでは、歓迎会、キャリアセミナー、スポーツ大会、現場見学、合同ゼミ、合同バーベキュー、忘年会、ゼミ卒業旅行、送別会等の様々なイベントを通して、ゼミ生同士は勿論、多様な社会人の方々とも積極的な関わりを持ち、個人の知見を存分に広げてもらえればと思います。

具体的な活動内容の記録は、ページ内右上のカテゴリー「ゼミ活動」からご覧ください。

学年ごとの定員は10人までとなっています。応募多数で選抜となる場合は、志望理由や特定の社会課題への興味関心の度合いを重視します。

最後に、「遊びも研究もどうせやるなら全力で!」というのが当ゼミのコンセプトです。

皆さんからの応募をお待ちしてます!

大学院進学について(学部3~4年生向け)

当研究室では、内部からの大学院進学を歓迎しています。

(私事で恐縮ですが)私自身も学部4年時に大学院への進学を迷いに迷い、最終的に進学を決断したという経緯があります。当時、一番の決め手となったのは、「専門性を作りたい」という気持ちでした。

同大学工学研究院の馬奈木俊介先生のHP上にある

企業が同じような事業を拡大再生産してきた時代に向いていたゼネラリストの時代は終わり、自分の専門性を持つスペシャリストが評価される時代にある

http://www.managi-lab.com/candidate.html

という言葉が当時の私の気持ちを的確に表現していると思います。

当時の私としては、日々変化する競争の激しい情報化社会を生き抜くため(そしてそこで活躍するためにも)、何か特別な専門スキルをもった人材になりたいと考え、大学院進学を決意しました。

私の恩師である同大学経済学研究院の加河茂美先生の研究室が、昨今注目を浴びる”環境問題“や”持続可能性“、”データサイエンス“等(流行りの言葉で言えば、DXデジタルトランスフォーメーションGXグリーントランスフォーメーション)を専門的に扱っていること(つまり、時代の潮流に即していること)も当時の私の気持ちを後押ししてくれました。

周囲からは「文系の学生が大学院に?」「就活不利になるんじゃないの?」という声も勿論あり、多少不安に思っていたことも事実です。しかし、今になって思うのは、「文系だからこそ敢えて進学しても良いのではないか?」ということです。

理系の大学生であれば学部卒業の時点でそれなりの専門性を擁しているのではないかと思います。医歯薬系の学生ならこれは尚更です。一方で、(当時)経済学部4年生だった私には、周りの200人超の同級生や他大の同学年の学生達と差別化できるような特別な個性は何も見当たりませんでした。(恥ずかしながら)不真面目な学生でもあったため「経済学が私の専門です!何でも聞いてください!」とはお世辞にも言えたものではありませんでした。私の肌勘ですが、同じような境遇の学生は現在でも多いのではないかと思います。

九州大学経済学部では、毎年「学部・学府一貫教育プログラム」の募集が行われています。これは、将来大学院修士課程を経て専門研究者や専門職を目指す意欲と能力のある学生を早期に選抜し、学部と大学院の両課程を貫いて育成するための特別プログラムであり、九州大学経済学部に在籍する3年次以上の学生のうち、①学部の成績が特に優秀である者、もしくは②演習(ゼミ)指導教員の推薦を受けた者が選抜対象となるというものです。本プログラムへの参加を許可された学生は、4年次前期から「学部・学府共通科目(学部特別専門科目)」の履修が認められ、さらに4年次前期にプログラム参加学生向けに実施される大学院経済学府修士課程「特別選抜試験」に合格すれば、最短5年間(学部4年間+修士1年間)で、学士及び修士の双方の学位を取得することも可能になります。

このような学部独自のプログラムを積極的に利用するという選択肢もありなのではないかと思います。応募だけして他にやりたい事が見つかったら進学しないのも一つの手ですし、常に選択肢の幅を広く持つことは大事なことだと思います。ちなみに、私自身も本プログラムの卒業生の一人でもあります。

もちろん、特に理由もなく大学院へ進学することだけは避けるべきです。そこで最後に、進学を決意した学生の皆さんに対して、目的意識を持って大学院進学することの重要性を強調したいと思います。私が大学院進学を決意した際には、以下のような目的意識を持っていました:

  1. 英語が操れるようになる
  2. 環境問題とデータサイエンスに専門性を持つ
  3. 修士論文を学術誌にて出版する

1つ目の目標は、昔から英語がかなり苦手な方でしたので、どうにかしたいと思い掲げたものです。幸いにも、大学院在学中には国際学会等で(半ば強制的に)英語での研究報告の機会に恵まれました。その結果、おそらくレベルは小学生以下ですが(笑)、一応、コミュニケーションや学会発表等をこなせるようにはなりました。

2つ目の目標は、自然に達成できました。環境問題については、研究を重ねていくうちに自然と詳しくなりました。データサイエンスについては、分析モデルを実装する際に、エクセルではなく統計ソフトウェア(MATLAB)を用いる必要があったため、(得意ではありませんでしたが、これも半ば強制的に)人並みにプログラムコードが書けるようになりました。

3つ目の目標は、せっかく書くなら修士論文であっても多くの人に自身の論文を読んでもらいたいと考え、立てた目標でした。現実は厳しいもので、大学院在学期間中(1年間)で査読付き英語論文として出版することは残念ながらできませんでした。しかしそのおかげで(当時の悔しさで)、今の私があると言っても過言ではありません。

以上が私が建てた3つの目標の例ですが、目標はこれらに限ったものではありません。各々でオリジナルの目的意識を持って進学することで、より有意義な大学院生活が送れるのではないかと思います。

博士課程への進学について(修士課程の学生向け)

以下からは、修士課程に在学中で、且つ博士課程への進学も考えている学生へ向けたメッセージです。

私の個人的な意見としては、修士課程は(気になるのであれば)進学しても損はないのでは?と考えています。一方で、博士課程への進学については、皆さんの背中を堂々と押すことはできません。というのも、博士号を取得した学生は、(我々の分野では)一般的に、企業や研究所の研究職や大学教員としてのキャリアを歩むことになります。言い換えれば、博士課程に進学する際には、必然的に”研究”という分野の中で食べていくことへの、ある種の覚悟を決める必要があります。

私自身も修士課程を卒業する際、博士課程へ進学するかどうか相当に悩みました。当時の私の中では、仕事やキャリアを通じて実現したい目標自体は決まっていましたが、問題は、その目標をアカデミックと民間のどちらで実現するべきか?ということでした。私の場合、(辛いこともありますが)やはり研究という仕事(遊び?)が楽しく、それを楽しめること自体が自身の強みであると感じたこと。そして、学生時代からの友人に「普通(特に文系の学生では、絶対に歩めないキャリアを歩んでる。経済学者になる同級生なんて殆どいない!」と背中を押して貰えたことがあり、最終的に博士課程への進学を決意しました。何が言いたいかというと、キャリアの大きな分岐点である博士課程進学については、自身の気持ちとしっかりと向き合った上で決断する必要があるということです。

もちろん、金銭面での心配もありました。論文が書けるかどうか以前に、実際にこれも大きな障壁の一つなのではないかと思います。私の場合、博士課程最初の1年間は、日本学生支援機構からの奨学金(無利子)を借りつつ、指導教官の先生のリサーチアシスタント(RA)等のバイトをさせて頂きながら食いつなぎました。2年目からは「日本学術振興会の特別研究員(DC2)」として採択(採用)されたため、以降は月20万程の給与を頂くことができました(1年目もチャレンジはしましたが不採用でした)。特別研究員としての給与は、(贅沢こそできませんが)学生としては特に不自由無く暮らせる程度の水準であったと振り返ってみて思います。現在は、学内にも様々な支援プログラムが存在するとのことです。例えば、本学のエネルギー研究教育機構が主催する「脱炭素エネルギー先導人材育成フェローシップ」や「JST 次世代研究者挑戦的研究プログラム」などからも学振特別研究員と同水準の給与と研究費が支給されていると聞きます。このような学生支援制度を積極的に活用することが金銭面でのリスクを回避するための重要なポイントとなるでしょう。

ということで、最初に書いたように、博士課程への進学に関して私からどうこうと口出しすることはできません。自身の人生の選択は、必ず自身で行い、すべての選択に自身で責任を持つ必要があります。ただし、進学すると決めたのであれば、私自身(微力ながらに)持てる力を振り絞り学位取得まで全力でサポートしていきます。人生最大のチャレンジを私と二人三脚で楽しみましょう!

尚、本研究で博士号を取得するための条件は、査読付き英語ジャーナルに掲載される論文を2編以上(出来れば3編)執筆し、博士論文として纏め上げることとします。標準的な学位取得までの期間は3年間です。

大学院生(外部)・研究生・ポスドク(JSPS特別研究員)等の受入について

当研究室では、大学院(修士・博士両課程)からの学生の受け入れも行っております。入室を希望する際には、まずは中石宛にメールでの連絡をお願いします(研究計画書や履歴書も添えて貰えると助かります)。

入室に際して、特に学部時代の分野や学歴・年齢といった制約はありません。関連研究トピック(エネルギーや資源・環境問題等)について興味関心があること、また、(修士・博士に限らず)自身の研究成果を論文として世に広く出版し、社会貢献する意思があることが最も重要です。尚、入学が確定する前の(研究生としての)研究室への受け入れは基本的に行っておりません、ご了承ください。

ポスドク(JSPS特別研究員)としての受け入れも歓迎しています。お気軽にご相談ください。