研究テーマ

研究テーマ

産業革命以降、人類は多くの資源や化石燃料を消費し様々な製品・サービスを生産することで、目覚ましい発展を遂げてきました。都市インフラの整備は進み、モノの大量生産・消費・廃棄が当たり前となり、私たちの生活は信じられないほど便利で豊かになっています。

一方で、このような利便性・経済性を追求した生産・消費のスタイルは、既に限界を迎えつつあります。大量生産・消費型の社会経済システムは、様々な環境・社会問題(気候変動、自然破壊、資源枯渇や土壌・海洋・大気汚染、児童・低賃金・長時間労働等)を副作用としてもたらします。

これらの環境・社会課題を緩和するため、私たちは以前の大量生産・消費型の社会経済システムから、最適生産・消費型の持続可能な社会経済システムへと早急に移行する必要があります。

2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の12番目は「つくる責任 つかう責任」です。

ここでは、現在および将来世代の生活維持のための鍵となる、「持続可能な消費と生産Sustainable Consumption and Production: SCP)」のパターンを確保することが目的とされています。

先進国から開発途上国を含めたすべての国の企業(生産者)と一人一人の市民(消費者)が協力し、より持続可能な生産と消費のパターンへのシフトに取り組むことが重要です。

上記の点を踏まえて、本研究室がまず取り組む課題は、生産活動の持続可能性分析です。

上で述べたように、化石燃料ベースの生産活動は、様々な地球温暖化や大気汚染といった様々な環境問題を引き起こします。

また、これらの環境問題だけでなく、過度に経済性を追求した生産活動には、児童労働や悪質な環境での労働といった様々な社会問題のリスクも存在します。

このような環境・社会問題を伴わない(持続可能な)生産スタイルを実現するにはどうすればよいでしょうか?

これが私たちの研究の一つ目の焦点です。

ただし、生産者がいくら持続可能な製品・サービスを生産したとしても、それが消費されなければ意味がありません。

一般的に、環境に配慮したグリーンな製品・サービスは、その他の製品・サービスに比べ高価になってしまいます(例えば、再生可能エネルギー由来の電力は、化石燃料由来の電力に比べて高額です)。

この点を踏まえて、本研究室が取り組むもう一つの研究課題は、消費者行動の持続可能性分析です。

持続可能な生産活動を継続するためには、消費者からのサポートが必要不可欠です。

環境・社会に配慮した消費スタイル(節電やリサイクル等)を消費者に根付かせるにはどうすればよいでしょうか?

これが私たちの研究のもう一つの焦点になります。